日常の会話や人前でのスピーチで、「あのー」や「ていうか」や「ちょっと」が出てしまうことはありませんか?自分の意思とは関係なく出てしまう、この『 言葉のヒゲ 』の問題に悩む人は多いのではないでしょうか?私もその一人です。今回は、言葉のヒゲについて、まとめてみました。
言葉のヒゲ とは
『言葉のヒゲ』とは、「まぁそのー」「えーっと」「んー」「そうですねぇ」など、人が話すときに連発される不要な挿入語のことです。『言葉のヒゲ』以外にも、『つなぎ言葉』『遊び言葉』『(英語で)filler』などと言われるようです。良いことを言っていても、ヒゲがたくさん出てしまうと、発言が軽くなります。また、考えがまとまらず取り繕うような言い方は、説得力に欠けますし、心が揺らいでいる印象を相手に与えます。
言葉のヒゲ : 出やすい状態
言葉のヒゲが出る原因として、大きく分けて「心」「思考」「癖」の3つの要素が挙げられると思います。この3つの要素が良い状態を維持できないと、ヒゲをなくすことは困難です。例えば、平常心が保たれていても考えがまとまっていない場合、言葉のヒゲが出る癖がなくても自信がない場合などでは、ヒゲが出る可能性が高まります。特に3つの要素すべての状態が悪ければ、ヒゲは連発されてしまうでしょう。
「心」の状態
- 心が揺らいでいる
- 自信がない
- 自己評価が低い
- 緊張している
- 恥ずかしさを感じる
- 格好つけようとする
「思考」の状態
- 考えが定まっていない
- 曖昧にしようとする
- 本音と違う
- 質問の意図がわからない
- 発言の1センテンスが長い
- 借り物の言葉を使う
「癖」の状態
- 言葉のヒゲが癖になっている
言葉のヒゲ : 出さないメリット
言葉のヒゲがない話し方は、つまり、心に揺らぎがなく、考えが整理され、言葉がはっきり聞き取れる話し方なので、発言の重みが増し、相手に信頼されます。また、そのような話し方が身についてくると、自分に自信がつき、苦手な場面に出くわしても、平常心を保てやすくなります。さらに対人関係の改善や、仕事でのキャリアアップなど、人生が大きく開かれる可能性も生まれるでしょう。
ただ、言葉のヒゲが全く出ないという人はいないと思います。気にならないレベルのヒゲであれば、そこまでこだわる必要はないでしょうし、雰囲気を和ませるヒゲなど、状況次第では効果的な場合もあります。
言葉のヒゲ : 出さない工夫
言葉のヒゲの問題に気づき、改善したいと思い立つのが第一歩だと思います。前述のように、ヒゲが出てしまう大きな原因として、「心」「思考」「癖」の3つの要素が考えられます。ヒゲをなくすためには、この3つの要素に対して改善を図ることになります。
「心」の改善
慌てない
ヒゲを出さないためにどれか一つだけと言われたら、これが最も大事かもしれません。「なにか話さなければ」と気持ちが焦っていることに気づいたら、「慌てない」と静かに自分に語りかけましょう。
間を恐れない
会話やスピーチの中で、間が空くことを恐れる人は多いと思います。聞く側からすると、ヒゲが連発することに比べれば、なんてことありません。適度な間は、話の内容を理解するのに、むしろ好都合なのです。ヒゲが出るくらいなら、間を置くことをお勧めします。
『話す内容』に意識を向ける
恥ずかしい、あるいは格好つけたいという気持ちに意識が向いてしまうことがあります。いま重要なのは、話す内容です。余計な感情に気づいたら、静かに『今』すなわち『話す内容』に意識を向けましょう。
「思考」の改善
考えが定まってから話す
上述のように、間が空くことを嫌って「なにか話さなければ」と焦るあまり、考えが定まらないうちに話をし始めてしまうことがあります。声に出す前に、文脈に沿う内容を落ち着いて考えると良いと思います。
1センテンスを短く区切る
話を始める際、その道の熟練者でなければ、破綻のない長文をすぐに作るのは非常に困難です。普通の人が長文を話そうとすると、センテンスをつなぐ時に「えー」「まあ」が出やすくなります。また、破綻がないように気をつけながら話すという、余計なエネルギーを使うことになり、さらにヒゲが出る可能性が高まります。話す内容は、1センテンスを短く区切って、簡潔なものにし、思考のエネルギーを節約しましょう。
結論を定め、そこに向かって話す
スピーチをする際、本やインターネットに載っているような例文を参照することがあると思います。そういった例文は、たしかに品性を感じる反面、堅苦しかったり、センテンスが長かったりして、丸暗記だと違和感を抱えながら話すことになり、結果ヒゲが出やすくなります。例文は内容を部分的に借りる程度にとどめ、結論に向かって、自分の言葉で話すことをお勧めします。
「癖」の改善
「絶対出さないと決意してから話すこと」を癖にする
言葉のヒゲが出ることが癖になっている、つまり、ヒゲがあるほうが言葉が出やすい体になっている人がいます。この場合、逆の癖をつけましょう。ヒゲを出さないことを習慣化することで、徐々に頭で考えなくてもヒゲが出なくなります。
ヒゲが出ない練習をする
ヒゲを出さないためには、物事を端的にはっきり表現する練習が望まれます。鏡に向かって1分間スピーチなど、様々な練習法がありますが、私が実践しているのは、子供への絵本の読み聞かせです。絵本は1センテンスが簡潔ですし、子供に内容が伝わるように、ゆっくり、間違えず、はっきり話すことに集中している間、ヒゲが入る余地はありません。読み聞かせを繰り返しているおかげで、私の言葉のヒゲは、明らかに少なくなりました。子供も喜ぶし、おすすめの練習法です。
まとめ
今回は、自戒を込めて、言葉のヒゲを出さないための工夫についてまとめてみました。慌てず、話すべき簡潔な1センテンスをはっきり話すことを心掛けたいものです。ヒゲを出さないことは、話し方のレベルがあがるだけでなく、平常心の維持、すなわち心の健康に繋がると思います。
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