コラム法のご紹介

アイキャッチ : コラム法

気持ちがつらい時、薬などに頼らず、自分で気持ちを楽にできる方法を身につけられると良いですよね。さらに言うと、そもそも「気持ちが動揺しにくい」なら、今よりもっと生きやすくなると思います。その方法としてお勧めしたいのが、ストレスへの対処法として精神医療の現場でも用いられる コラム法 です。

コラム法 とは

人はみな、毎日様々な出来事に遭遇します。そして、出来事の受け止め方は、それぞれの「考え方のクセ」に大きく影響され、そのクセがネガティブに偏っていると、出来事を悲観的に捉え、気持ちがつらくなってしまいます。気持ちを自分で楽にするためには、客観的に出来事を振り返るのが大切です。

また気持ちを動揺しにくくするためには、クセをバランスの良いものに変える、「認知の再構成」が大事です。もちろん、認知を再構成するために、親しい人やセラピストに相談するのも良いのですが、それを自分で行うのがコラム法です。心が揺らいだ場面と、その時の感情や考えを振り返ってシートに書き出し、考え方のクセを把握する方法です。

感情的な自分から少し距離を置くことで、落ち着いた自分を取り戻し、クセを修正することで、何事にも動じにくい心に整えていくのです。

コラム法 の実践

皆さんは親しい人にどのように悩み事を相談しますか?多くの場合、まず「出来事とその時の感情や考えを相手に伝える」、次に「なぜそう考えたか、見落としていることはないかを話し合い、気持ちや考えを整理する」という流れだと思います。コラム法では、そうした会話の流れをコラム法のシートに書き出し、出来事を客観的に振り返り、考え方のクセを修正するきっかけを作ります。

コラム法のシート

シートのフォーマットは、セラピストによって細かい部分が違うこともありますが、基本形は、以下の7つの列(コラム)になると思います。

①状況例 昨日、上司から仕事がいい加減だと叱られた
  今朝、Aさんに挨拶をしたら、無視された
②その時の感情例 緊張 70%、不安 50%
  恥ずかしい 80%
③自動思考例 私はいつも失敗ばかりしている
  私はAさんに嫌われているに違いない
④根拠例 私は先月3回ミスをした
  Aさんに既読スルーされた
⑤反証例 上司にプレゼンを褒められたことがある
  Aさんから、他の用事の返信はあった
⑥適応的思考例 先月3回ミスをしたけど、上司にプレゼンを褒められたこともある
  Aさんに既読スルーされたけど、他の用事の返信はあった
⑦感情の変化例 緊張 50%、不安 30%
  恥ずかしい 50%
※本来「コラム(column)」は縦の列ですが、ここでは横の行でシートを作っています。
 書きやすければ、縦でも横でも構いません。
①出来事が起きた状況を書く

いま気になっている出来事や最近の出来事を選び、心が揺らいだ状況を、できるだけ客観的な視点で書きます。5W1H(いつ・どこで・だれが・なにを・なぜ・どのように)を意識すると、書きやすいかもしれません。

②その時の感情を書く

その時の嫌な感情(緊張・恐怖・不安・イライラ・恥ずかしい・悔しい など)を0〜100%の数値で書きます。数字で表すのが少し面倒かもしれませんが、自分の感情を客観的にとらえ、0か1かではなく段階的な評価をする練習になります。

③その時の考え(自動思考)を書く

出来事に直面した時、瞬時に浮かんだ思考を書きます。心の揺らぎは認知(出来事の受け止め方や考え方)と密接な関係があり、認知の現れが自動思考です。考え(自動思考)は、②の感情と区別しにくいという方もいますが、感情は「一つの言葉で表現できるもの」、考えは「1つの文章になって浮かんでくるもの」とすると、考えやすいかもしれません。この時の文章は主語を入れて、言い切りの形で結ぶと、より良いと思います。

④自動思考の根拠を書く

自動思考を裏付ける客観的な事実を書きます。ここではあくまでも事実だけを書き出すようにして、相手の心を推測したり、自分の立場で事実を解釈しないようにしましょう。

⑤自動思考の反証を書く

自動思考と矛盾するような事実を探し出して書きます。この時「見逃していることはないだろうか」と心のなかでつぶやいてみると、幾分冷静になって、現実を見直すことができるようになります。

⑥適応的思考を書いて、振り返る

「“④根拠”だが“⑤反証”(という事実もある)」と書き出します。

そして、この適応的思考を読んで、「もう一度冷静になって考えてみよう」「いまの自分の悩みを他の人から同じように相談されたら、どう答えるだろうか」「これまでの経験を振り返ってなにか気づくことはないだろうか」と自分に問いかけてみると、考えの幅がさらに広がり、これまでの考え方のクセがバランス良く修正されます。

⑦感情の変化を書く

ここで、②に書いた感情が、数値としてどのように変化したかを書きます。③の自動思考が極端だったり歪んだものであれば、つらい感情の度合いが少なくなっているはずです。

まとめ : コラム法

このように7つのステップを踏んで、考え方を柔軟にすることで、つらい気持ちを減らしていきます。こうしたことをシートに書き出すのは、最初はぎこちなく感じられたり、時間がかかって面倒だと思うかもしれません。しかし、何度か練習することにより、これらのプロセスが自分で自然にできるようになり、考え方のクセが修正されて心が動揺しにくくなります。ゆっくり焦らず進めていきましょう。

詳しいことは専門の書籍を参照いただいたり、セラピストに相談いただきたいと思いますが、「自分はつらい気持ちになりやすい」と感じていらっしゃる方がいたら、今回のブログをなにかのきっかけにしていただけると嬉しいです。

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