笑いのすすめ

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人は生後しばらくすると、笑うようになります。3ヶ月前に生まれた我が家の長女も徐々に笑うようになり、その 笑い を見るたび私達家族は幸せな気分になります。

笑顔は自分や相手の心を穏やかにしますが、皆さんは普段どのくらい笑いますか。特に最近、テレワーク中心の働き方をしている方は、黙々と業務をこなしている一方で、笑う機会が乏しいのではないでしょうか。

今日、新型コロナウイルス感染に関わる社会的な問題や激しい競争が、メンタルヘルスに悪影響を及ぼしています。今回は、笑うことで得られる様々な効果をご紹介します。

笑い による変化

心身への好影響

多くの場合、笑うことは、安全でお金がかからず簡単に実行でき、自分の心身に様々な好影響をもたらします。

抑うつ気分や不眠を改善する

笑いが気持ちの落ち込みや不眠を改善するという報告が、日本老年医学会など数多くの研究機関からされています。うつ病をはじめとしたいくつかの精神疾患は、セロトニンやドーパミンなどの脳内の神経伝達物質にトラブルがある病気といわれていますが、笑いはそれらの働きを改善する補助療法として大いに注目されています。

鎮痛作用や幸福感をもたらす

笑うと、脳内の神経伝達物質であるエンドルフィンが分泌されます。エンドルフィン(endorphin)の語源は、「endo(内側)」+「morphine(モルヒネ)」です。モルヒネとは、鎮痛剤として使われる薬物で、エンドルフィンは体の内側から分泌され苦痛を和らげる作用があるため、この名がつけられました。エンドルフィンはモルヒネの数倍の鎮痛効果があると言われており、また「気持ちいい」「幸せだ」という幸福感ももたらします。

自律神経のバランスが整う

自律神経には、体を緊張モードにする交感神経とリラックスモードにする副交感神経があり、状況に応じてそれぞれが働くことで、自律神経は私たちの身体を常にベストな状態にしようとしています。

しかし、ストレス・ホルモンバランスの変化・不規則な生活などの要因があると、交感神経が緩まず、副交感神経とのバランスが崩れて、自律神経が乱れることがあります。自律神経が乱れると、心が不安定になる・消化器症状がでる・首や肩がこる・脳のパフォーマンスが低下するなど、様々な不調が現れます。

このような状況でも、笑うことで(一時的に交感神経が促進され、その後急激に低下することで、副交感神経優位に切り替わり)徐々に自律神経のバランスが整うようになり、筋肉に偏っていた血流が脳を含めた全身に行き渡り、上記のような心身の不調の改善も期待できるのです。

身体面に対する効果

その他、血圧を下げたり、免疫機能を活性化させたりなど、身体面の利点も数多くのメリットが指摘されています。

対人関係の変化

笑顔には伝染性があります。子どもの笑顔を見て、思わず自分もほほ笑んでしまったことはないでしょうか。また、普段あまり笑わない人を笑顔にさせるには、隣でただ笑い続ける行為が最も効果的であったという実験結果もあるそうです。

周囲の人を笑わすことができれば、その人に先程挙げたような好影響を与えられます。相手の笑顔を引き出すためには、わずかで良いので、まずは自分からほほ笑みかけることが効果的です。たとえ相手からは反応が無くても、そんなあなたを見ていた第三者から良い印象を持たれるということもあります。ほんの少しの勇気で、人の怒りを消し去ったり、思わぬところで対人関係が改善するということがあるのです。

デメリット

笑顔がマイナスの影響を与えるケースも、ないとは言えません。TPOにそぐわない笑いや悪意のある笑いなどがこれにあたります。また、作り笑いをあまりにも長く続けると逆にストレスに変わります。

心身共に健康になり、周りの人たちにも幸せな気持ちが伝播していくことを目指して、自分にあった笑い方を身に付けることが大切だと思います。

笑い の実践

私がサラリーマンだった頃、非常に影響を受けた上司がいて、その方は社内外問わず笑いを作ることを常に意識されていました。笑いの内容よりも頻度を重視されていたように当時感じていたのですが、今はその方の意識がとてもよくわかります。日頃から、周りの人たちと愉快な話をして、大いに笑いましょう。もちろん、お笑い番組やコメディ映画を見て笑うことも効果的です。

また一人でいる時も、鏡やお店のウインドウに映った自分の表情をチェックしてみましょう。無表情だったり、険しい表情だったりすることはありませんか。私自身、特に自分が写った写真を見ると、穏やかな表情を意識したにもかかわらず、思いのほか表情が固く、戸惑うことが多々あります。

口角を上げるだけで気持ちが上向くことがあります。体の動きを意識して心をコントロールできるあたりは、呼吸と似ているところですね。表情が硬いと気づいた時、ほんの僅かで良いのでほほ笑みに変化させましょう。

まとめ

今回は笑いがもたらす様々な効果についてご紹介しました。心の健康術として、わずかなほほ笑みでも、自分や周りの人にポジティブな影響を与えられます。私自身も、自分にあった笑い方を、生涯を通して身に付けたいと思っています。

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